The Dark Knight Rises

"Why do we fall?"
「人はなぜ落ちるのか?」

私が最も好きな映画監督クリストファー・ノーラン、バッドマン三部作の
完結編を観てきました。

正直、私は女性ですしアメコミは苦手で、ノーラン監督が手掛けるまで、
バッドマンのことも全く知りませんでしたが・・・

いわゆるヒーローとは一線を画し、全てにリアリティがあり、
悲劇や苦しみや痛みという暗部を抱えた「一人の人間」だというところに強く惹かれて、
ノーラン版バッドマンの大ファンに。待ちに待った完結編も最高でした。


「ダークナイト」から4年。
個人的でディープな話になり恐縮ですが、
心が死んだ状態から脱せずに、お肌もボロボロ、うつろな日々を送っていた時でした。
主人公の克服しがたい痛み、生きる意義の葛藤にどれほど共感したことでしょう。
あれから4年経っても(本作では8年経った設定)、精神的旅路は終わっていなくて、
私の場合は完結に至る="Rise"するまでまだかかりそうだなと再認識

というのも、本作で特に心に刺さったのが、

「最初は不憫な人ととして同情されるが、のちに疎まれていくから、
怒りを押し込んで笑顔でいることに決めた。だからこそ
怒りを内に隠し、仮面を被っている人をみればすぐ察することができるんだよ。」

「大切な人を守るために仮面を被るのだ。」

喪失感を超えて、ここまで言える大きな人間になりたい、とはっとさせられました。


「面白い」「ドキドキする」「スカッとする」「笑う、泣く」はもちろん、
人生において考えさせれる深みを内包してこそ、エンターテイメント。

セリフの一つ一つにも含蓄があり、
ノーラン監督は現代のシェイクスピアだと思ってます。
(シェイクスピアも当時は大衆娯楽であって、面白くなければ作品は続かなかったのです)

エンディングも最高です。
映画館で拍手の嵐が起こっていました。それくらい面白くてとってもお薦め


三部作の共通テーマの一つ(だと私は思います)
「人はなぜ落ちるのか?」

"So we can learn to pick ourselves up."
「這い上がるためだよ」


 

「理想の女」

寒いと家でぬくぬくしたくなりますね。
週末、仕事でアイディアに行き詰まり
好きな映画「理想の女」のDVDを借りてしばし幸福感に浸っていました。
オスカー・ワイルド「ウィンダミア卿夫人の扇」が原作です。
DSC01762.JPG

オスカー・ワイルドといえば、19世紀末の英文学史上重要な作家なのですが、
耽美的で社会風刺的な作品というイメージが強く、
当時若かった私は興味を覚えず素通りしてしまった・・・という過去が。
美しい童話も書いており、幼い頃「幸福の王子」で涙したというのに、
思い込みとは恐ろしいものですね

さて、映画も「思い込み」がキーワードの一つです。
原作の良さを損なわず、風刺の効いたセリフが散りばめられた中、
結婚とは?愛とは?善良さとは何か?を考えさせられる映画です。

舞台の設定を、原作の霧多いロンドンから、夏のアマルフィに変えているので、
よりドラマティック。衣装も美しくて、美の感覚も刺激されます。

二人の女主人公、どちらに惹かれるか意見が分かれると思いますが、

スカーレット・ヨハンソンのイノセントな美しさもさることながら、
ヘレン・ハントの知的で内面の深さを漂わせた美しさに私は惹きつけられるんですよね。

特にラストの、哀切と歓喜をとりまぜたような笑顔が秀逸。

「知らないということ(イノセンス)」は大きな価値の一つかもしれませんが、
どうしても若さという賞味期限があるかと思います。
年を重ねて、知性を磨き、ヘレン・ハントのような「理想の女」になれれば素敵。
会話センスにも学ぶことが多いですし、お薦めの映画です。
ラストシーンで素敵なカタルシスが味わえますよ〜


"Lie To Me"

最近のはまりものです。

スーパーに行くと、GEO BOXなるものがあり、
DVDが新作だと12時間100円で借りられるんですよね。
買い物のついでに、借りられるし、すぐ返せる・・・でとっても便利。

で、今はまっているのが、こちら
P1010605.JPG
 
Tim Roth演じる、天才心理学者が解決していく事件の数々。
どうやって解決するのかというと、

micro expressionsという0.2秒にも満たない、ごく短い表情の変化で
嘘を見抜くというもの。
例えば、「驚き」の表情が1秒以上続いたら、それは「嘘」。
日本の「リアクション芸人」さん達は「嘘」をつくのが大変ですね(笑)


さて、もちろん嘘だけじゃなく、恐れ、苦悩、悲しみ、喜び、などなどを
「言葉」ではなく「表情」で読み取り、どんどん会話を進めていってしまう。

だから、英語を話さない人に対しても有効。
世界共通の表情なんですって。
もちろんこれはフィクションですが、
恐らくかなり厳密に心理学をベースにしているんでしょうね。
合間にクリントン元大統領や、OJ、ダイアナ妃などなど、
実在の人物の表情がフラッシュされるので、
「あ、あの時の演説の表情で嘘がわかったんだ」とすごく面白いです。

やっぱり、ドラマの作り、アメリカはすごいですね。
もちろん日本と違って、市場が大きいので予算が潤沢ということも関係あると思いますが。


これ見てると、対人関係でためになりますよ。
表情って、言葉より雄弁なんだな〜と思うこのごろです



「宿命〜ロミオとジュリエット」

西本智実さんが芸術監督・指揮をなさった
セルゲイ・プロコフィエフ作曲「ロミオとジュリエット」を観てきました。
以前のブログ紹介はこちら↓
http://megu-beauty.jugem.jp/?eid=149


バレエ音楽なので、普通のグランド・バレエを想像していましたが、
さすが西本さん。まさに芸術監督の才能も堪能させていただきました。
舞台上にオーケストラがあり、ダンサー達が演じるスペースが一段上に設置されています。
そして、両サイドにドラマの内容にそった字幕がだされます。
シェイクスピアのあれだけの名場面のセリフを、省くのも大変だったと思いますが、
前口上から始まって、これが実に絶妙なのです。
P1010570.JPG

聴覚、視覚、そして観客の想像力をフル活用させる、
今までにない「ロミオとジュリエット」でした
シェイクスピアの時代の実際に上演されていた雰囲気を再現するのも大変ですが、
CGが当たり前のこのご時世、
音楽とパフォーマンスと照明と少しの字幕だけで、勝負した形式の舞台に、
心から拍手を送りたいと思いました

CMでも有名な「仮面舞踏会」は皆さんもご存じだと思います。
ロミオとジュリエットはモンタギュー家(ジュリエット)の仮面舞踏会で出会うのですが、
その時の曲です。
鎧をきた騎士が闊歩するような、また、憎しみに満ちた二つの家が醸し出す不吉で重々しい雰囲気を感じる曲・・・。
その仮面舞踏会では、ジュリエットだけが仮面をつけておらず、
むき出しの純粋さが、音楽との対比で痛いほど伝わってきます。

表現とは本当に無限で自由なんだなって。

指揮をされている間の西本智実さんの背中でも、たくさんの表現がなされていました。
本当に多彩(多才)で素敵な方です。

今回も紀子お姉さんと
P1010569.JPG

終わった後は、西麻布のahillで、肉食会。 
4日連続飲みが続いてるの・・・とおっしゃる紀子さんでしたが、
かなり飲みましたよね?
貴重で的確なアドバイスやお話をいただけたり、私の悩みを聞いて下さったり、
優しくて心強いお姉さまです
紀子さん、いつもありがとうございます!


ロミオとジュリエットは出会いから死まで五日間の物語です。
たった五日間で恋、結婚、人間的成長、死まで経験してしまう二人。
切迫した純粋さが駆け抜けた末の

「一瞬が永遠」by西本智美さん





"INCEPTION"〜夢と現実

私の最も好きな映画監督クリストファー・ノーランの最新作。
やっと見ました

ダークナイトで大成功を収めた監督への、映画会社からのご祝儀的作品かと思っていた方!
とんでもないことになってますよ。面白いなんてもんじゃないです。
ダイナミックな映像に、ストーリーの技巧性と、生きることへの問題提起が共存。
極上のエンターテインメント作品を堪能して興奮してます

なぜなら、ハリウッド映画って、
大作となると、映像に凝るあまり内容が単純化されてしまったりしません?
エンターテインメントに知性を盛り込んだ作品はほとんど皆無ではないでしょうか?

ノーラン氏のオリジナル脚本ということにも注目です。
ここまで綿密にストーリーを組み立てるだけでも、
見ているほうが追い付くのに必死になるくらいですから、お見事の一言。
いつもながら、こだわりは並大抵ではありません。
脳みそフル回転で見ましたよ

睡眠状態にある潜在意識の中に入り込んで、
「夢の世界」から「アイディア=その人の本質的な秘密」を盗む。
一言でいえば、SF的泥棒物語。
それだけでなく、
主人公のパーソナルな感情物語が深くかかわっていて、とってもリアルなんです。
ディカプリオの表情にも思わずひきこまれます。

皆さん、誰でも夢は見ますよね?
時に夢は私達の潜在意識が映像として現れるもの。
夢が自分の人生とどう結びついているのか、なんだか考えさせられました。
そして、自分にとっての「現実」は本当は何なのかと。

ノーラン監督曰く
「制限のない脳の世界を探求するのは最大級のエンターテインメント」だそう。
人間の光と闇を描いてきた監督の真骨頂なのかも。
不眠症が題材の「インソムニア」もそうでしたが、
現実と夢の境目って何でしょうね。
自分で作り上げた夢の世界に住めたらいいって思う事もあるけれど、
そうではないからこその「パラドックス」もあるわけで。
←見てない方には何のことやらですよね

世界的な映画評価サイト"IMDb"で9.1点(10点満点)を獲得。
これは「ショーシャンクの空に」「ゴッドファーザー」と並んで歴代1位の数字。
しかも映画史トップ30の中には、ノーラン監督作品が3つも入っています。
まだ39歳なんですよ。
名声に甘んじることなく努力を惜しまない天才なんだと、ますますファンに

ノーラン監督作品について語るととまらない
別の機会にまた書かせていただきますね。

"INCEPTION"は見終わったあと、激論をかわしたくなる作品。
お子様がいらっしゃる方は感情移入するあまり泣いてしまうかも。
最後のシーンまで目を凝らして下さいね
私の心の中ではスタンディングオベイションが鳴り響いていました。




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