「プレコンセプションケア」と美活〜フィーカレディースクリニック内覧会

「プレコンセプションケア」という言葉を聞いたことありますか?

「コンセプション=受胎」という意味で、

2013年にWHOが「妊娠前のケア」を勧告し始めたのが最初ですが、

妊娠を望んでから行う「妊活」とは違います。

将来の妊娠を望む望まないにかかわらず、

女性特有の病気を治癒&防ぎ、妊娠・出産できる身体作りをしておく、

という考え方です。

 

例えば、PMSや月経痛、本当につらいですよね。

でも、これが基礎疾患(子宮内膜症、子宮筋腫などの病気)のサインであり、

妊娠の妨げにつながる…!

改善できるなら今すぐやりたいケアですよね。

 

先日、北関東一の産婦人科「館出張佐藤病院」の佐藤雄一先生が分院として、

働く女性とプレコンセプションケアを推進するクリニック、

「フィーカレディースクリニック」を日本橋で開院。

内覧会と、企業向け講習会に参加してきました。

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↑佐藤雄一先生は学会でご一緒したり、みんなで飲みに行ったり、

仲良くさせていただいているドクター。

とことん親身で優しく、熱い想いを持った素晴らしい先生です。

20年以上もの間、不妊治療がご専門で、研究を重ね技術を高め、

高度医療(年に2000〜2500件の体外受精)を提供できるようにもなり、

患者さんの笑顔をたくさん見てこられましたが…

 

「上司に『こんなに休むと思わなかった』と文句をいわれる」と

やむなく仕事を辞める患者さん。

「私は歳ですが妊娠できるでしょうか?」と不安と負担に耐える患者さん。

 

「がんばりましょうね!」と励まし、精一杯治療を行いながらも、

患者さんのココロとカラダに寄り添えば寄り添うほど、

医師として強い使命にかられるようになられたそう。

 

技術の進歩よりも大切なのは、

根本を変えること=不妊の患者さん自体を減らすことではないだろうか?

そのためには、妊娠を望んでから行う「妊活」ではなく、

妊娠可能年齢の全ての女性が、妊娠を望む望まないにかからず

「産める身体作りをすること」が必要ではないだろうか?

 

女性もキャリアを積むのが当たり前になり、

経済的自立ややりがいを感じることが多くなった反面、

不規則な生活やストレスを多く抱えこんで、妊娠する能力を低下させてしまっている。

また、晩婚化、晩産化が進んでいる。年齢とともに妊孕性は低下する。

 

生みたい時に産める、は間違いであることに気づいて欲しい。

 

正しい知識を持ち、自分の身体の状態を知ること。

「やせている身体は美しい」思い込みによって妊娠能力を低下させている

女性の何と多いことか。脂肪も筋肉もない身体は美しくない。

「美しい身体作り」は「産める身体作り」。

 

いま妊娠を希望していなくても、将来いい男性とめぐり会って希望が変わる可能性もある。

その選択肢を持ってほしい。

そして、妊娠可能年齢でなくても、美しい身体作りは

女性のQOL、QWL(クオリティ・オブ・ワーキングライフ)を向上させる。

 

つまり、プレコンセプションケアとは、コンセプション=受胎の意味ではあるものの、

全ての女性の「美と幸せ」を追求する新しい考え方なんですね。

 

だからこそ、佐藤先生は「今すぐプレコンセプションケアをしましょう!」

という啓蒙活動に心血を注いでいらっしゃいます。

 

11/17、アクセスのよい日本橋高島屋S.C隣接のビル10Fで

フィーカレディースクリニックを開院なさり、カフェ感覚で気軽に受診してほしいと、

一般婦人科の他にも、プレコンセプションケアや更年期チェックで、

女性の身体を総合的にチェックすることで、女性のQOL改善、美しい身体作りの

サポートをする積極的な活動へ。

院長、副院長は女医さんなので、気軽に受診できますよ。

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中央がとっても気さくな院長の佐野先生。

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お茶を飲みながら、ブックコーディネーターによる素敵な本を読むだけでも、

居心地良い空間。

点滴スペース、カウンセリング室は絶景です。

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女性らしい雰囲気の診察室。糖化測定器も。

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さて、プレコンセプションケアには社会的背景があります。

 

女性は生涯&月内&日内でホルモンバランスが変化しますよね。

ホルモンの変化とともに、心身の不調があり、体調が大きく左右されます。

更年期はもちろん、

甲状腺機能低下(全身倦怠、冷え、やせ、不妊)や婦人科系疾患(子宮がんなど)

諸々の病気になりやすいのが女性の大変さです。

 

1990年代「男女雇用機会均等法」、2010年代「女性活躍推進法」が発令。

少子化で労働人口が減っていくなか、女性の活躍を増やすこと、

社員一人一人の健康を増進することで生産性を高めようとする世の中の流れです。

 

男女平等、それはそうなんだけれども、

男性は生涯ホルモンバランスの変化を受けないので、女性の大変さを経験できません。

女性の身体へのリテラシーがないと、いま叫ばれている健康経営(「ホワイト500」を

PRしている企業も多いですね)は成り立たない。

「女性への理解」を踏まえて、初めて男女平等が成り立つのではないかと思います。

 

婦人科系疾患が与える経済損失は

生産性損失4.95兆円+医療費1.42兆円=6.37兆円

※2016年日本医療機構(働く女性の健康推進に関する調査結果より)

であり、基礎疾患(婦人科系疾患含む)にならない身体作りをしようという

考えは、女性にも社会にも非常に有効ですよね。

 

また、これが最も重要ですが、

日本は「5.5組に1組が不妊治療を受けている」不妊大国なんだそう。

・2016年に生まれた体外受精の子18人に1人。

・不妊治療中の96%が仕事との両立困難。20%が仕事を辞めている。

※2018/11/8日本経済新聞「不妊退社を防げ 職場はどう支援」記事より。

・晩婚化、晩産化が進んでいる。

妊孕性は年齢とともに低下。40〜44歳のレンジは22歳時の妊娠のしやすさに比べ1/5

※文部科学省「健康な生活を送るために」

 

生みたい時に産めるのは間違い。

日頃から子供が産める「身体作り」をしてこそ、女性のQOLは改善する。

出産を希望しなくても、その時は尊重しましょう。

というのがプレコンセプションケアの特徴でもあるそうです。

 

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プレコンセプションケアとは具体的に何をするの?ですが、

まずは検査がお薦め。

・人間ドックは「病気を見つける」ためのもの。

・プレコンセプションドックは「自分に何が足りないか?状態を知る」ためのもの。

の違いがあります。

基礎疾患(病気)になってからの可及的速やかな治療はもちろんですが、

その前に、病気にならない身体作りをする、

女性特有の不調が起こりにくい身体作りをするために、

↓このような項目があります。多いですよね。

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ケアの内容としては、

・分子整合栄養学(オーソモレキュラー)に基づいた栄養管理

→身体は食べ物から作られるため、栄養管理が最も重要。

オーソモレキュラー検査を受けると、

自分に何が足りない栄養素か?を知ることができる(あなたには○○が足りない、○○が過多)

つまり、パーソナルなケアができるのが特徴。

・月経関連疾患(PMS、月経困難症)の改善→不妊や病気の原因の一つ

・卵巣年齢や基礎体温を知る→早くから人生プランが立てられる

・性病チェックなど不妊の原因を取り除く

 

中でも、講習会でハッとしたのが、

「生涯の生理の回数が少ないほど良い」ということ。

昔の女性…生涯の生理回数50回くらい(初潮が遅い&出産回数が多かったため)

現代女性…生涯の生理回数300回くらい(初潮が早い&出産回数が少ないため)

 

ニキビがつぶれる時と同様に、卵巣からプチっと卵子が飛び出すので、

生理=排卵のたびに、卵巣が傷ついてしまうのだそう。

生理回数が多いと、それだけPMSなどつらい症状を毎月抱えるだけでなく、

卵巣がんなどのリスクが高まるとのこと!

対策として、低用量ピルがとても有効だそうです。

避妊というコソコソする必要など全くなく、

・月経が規則正しい周期で来る(スケジュールが立てやすくなり、QWLの向上へ)

・PMS(月経困難症)や月経痛を軽くする

・婦人科系疾患に効果的(良性乳房炎、子宮内膜症、子宮体がん、卵巣がんの発症の割合低下)

・肌がきれいになる!(ニキビが減り、キメが細かくなる。多毛症の改善にも)

 

先生の患者さんでは、最初はしぶしぶだったのに、お肌がきれいになるので、

続けて欲しがるようになる方もたくさんいらっしゃるそうです。

 

次に、栄養面の気づき。オーソモレキュラーは敷居が高い、と思われる方でも、

今すぐできることがあります。

・低糖質、高たんぱく質の食事を

体重1kgあたり1〜1.5g(体重50kgの人は50〜70g)が毎日の必要量だが、

足りていない女性が多い。

プロテインスコアの高い、生卵1つで6.5g、100gの豚肉で17.5gしか

たんぱく質はとれないことからも、容易に想像がつきますよね。

たんぱく質は筋肉や臓器、皮膚、髪の毛など身体の構成素であり、

栄養を運搬する酵素やホルモン、脳の神経伝達物質、コラーゲンの材料となる

ので、毎日必要量を摂取することが、美しい身体作りの秘訣。

糖質はエネルギー源としては非常に優秀なのですが、とりすぎると、

「糖化」というエイジングに結びつきやすいので、

糖質制限の他に、AGEs(最終糖化生成物)が多く含まれる食物(揚げ物など)を避ける、

がベストです。

先生によると、卵子も糖化するので、

妊娠を望む方はマストとして糖化対策したほうが良いそう。

 

・鉄分や亜鉛などのミネラル

鉄分が足りていないと、慢性倦怠や頭痛、むくみ、めまいなどが起こりやすく。

PMSの原因の一つに、栄養不良(鉄、亜鉛などのミネラル不足)や

糖質過多の食生活があるそうです。PMSにはイソフラボンサプリも有効とか。

 

・ビタミンD

不足すると骨密度が低下することは皆様ご存知ですよね。

近年の研究で明らかになったのは、

着床障害による不妊、子宮内膜症、免疫力の低下、糖尿病などを引き起こすこと。

日光に浴びることで身体の中で合成されるビタミンであるものの、

あまり紫外線に浴びると、皮膚がんや美容的な問題が出てくるので、

食べ物やサプリの摂取が望ましいですね。

天然干しのキノコ類や鮭などの魚介類に多く含まれます。

 

・3つの「抗」を意識する

「抗酸化」(緑黄色野菜)

「抗糖化」(低糖質を心掛ける。プラス、糖分はミネラルを含むてんさい糖やきび砂糖に。

炭水化物は低GI値の玄米、ライ麦に変える。)

「抗炎症」(青魚や亜麻仁油などのオメガ3脂肪酸)

 

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長くなりましたが、最後に個人的な想いを記します。

私自身、仕事と出産の両立は到底できませんでした。

ましてや、PMSと月経痛が重く、男性と肩を並べてバリバリ働くことだけでも

大変な思い。出産など夢の世界のようで、諦めざるを得なかったんです。

「いい人とめぐり会えたら、結婚したら考えよう」では遅い。

もっと若い頃に佐藤先生のようなドクターがいて、

早くからプレコンセプションケアの意識を持って、正しい知識で、

「産める身体」作りをしていたなら・・・全く違う人生になっていたと思います。

QOL、QWLも随分と変わっていたと思います。

 

20代、30代前半の若い内に、プレコンセプションケアを行うことを強くお薦めします。

私は来月45歳でまさに更年期目前。昨年は甲状腺の大きな病気をしてしまい、

女性に多い甲状腺機能低下がもたらす不調と闘っています。

私と同世代、上の世代の方々も「自分の身体の状態を知る」「足りないものは何かを知る」

ことで、「だるい」「気力がない」など生活に差し支える要因を

できる限り早くから取り除いて、身体を整えることで、ココロも上向きになる、

さらには「体型が崩れる」「貧相になる」などを防いで、身体が美しくなる、

そんなQOL向上に役立てられると思います。

 

コンセプション=受胎であるものの、「今からでも遅くないんだよ」

優しく心が包まれるような内覧会・講習会でした。

 

 

#プレコンセプションケア #妊活 #更年期 #女性活躍推進 #フィーカレディースクリニック

 


コメント
恵美さんお誕生日おめでとうございます。
いつも勉強になるブログをありがとうございます。
妊娠前の健康と、アンチエイジングと、バラバラだった知識がつながったような感覚です。
私は、女性の体の変化に心がついていっていないような、ふんわりとした感覚で、妊娠には積極的にならないままでした。これをきっかけに婦人科で身体の状態を知ることから逃げずに向き合いたいと思います。
  • るきな
  • 2018/12/14 8:59 PM
るきなさん、誕生日メッセージをとっても嬉しく拝見しました。ありがとうございます!
女性はカラダの変化が激しく、ココロにも影響を与えて、それがまた身体の変化に…という循環。不定愁訴が病気のサインであったり、妊娠しづらくさせていることもありますので、カラダの声に向き合う=ご自身を労わってあげることにつながりますよね。るきなさんにお役に立てる記事であったなら大変嬉しいです(*^^*)
寒くなってきましたので、暖かくして素敵な冬をお過ごしくださいね。
  • 咲丘恵美
  • 2018/12/15 2:50 AM
恵美さんこんばんは。
昨日から自分の身体を客観視できたように思います。月経痛からずっとナーバスだったんだなぁとか、私は体調不良からネガティブにハマるタイプなのを自覚しました。
今年はクレンジングバームのCMから、恵美さんと交流が再会できて嬉しかったです。
女性の生き方や考え方について、恵美さんの文章がもっと読みたいのですが、文筆業はされないのでしょうか?
いきなりの質問ですみません。
  • るきな
  • 2018/12/15 11:28 PM
るきなさん、お返事遅くなり申し訳ありません(>_<)
るきさんさんと再交流させていただき、お身体の状態を客観視できるきっかけになってとっても嬉しいです。女性は月内のホルモンバランスでカラダもココロも大変ですもの…。
化粧品開発やスキンケアのご提案が本業なので、とんと文才がないものですから、文筆業はできそうもなく…ただ、女性の幸せのお役に立ちたい想いで本業をやっているので、女性の生き方や考え方、いつか本などでまとめてみたいとは思っています(*^^*)
  • 咲丘恵美
  • 2018/12/20 5:09 AM
恵美さんのブログは本に残してほしいなと思っています。
デジタルの時代に入っても、まだ本にしないと残らないという考えを持っているので、恵美さんに書いてもらいたいなと思いコメントしました。機会があったらお願いします。
どうぞ良いお年をお迎えください。
  • るきな
  • 2018/12/31 9:02 PM
るきなさん、あけましておめでとうございます。
「本に残してほしい」何と嬉しいお言葉です。女性の幸せを応援することが私の生き甲斐なので、るきなさんのお気持ちが本当に有難く、良い新年を迎えられました!いつか絶対に本にしたい!と思います。
るきなさんにとりまして、最高にハッピーな一年になりますように(*^^*)
  • 咲丘恵美
  • 2019/01/01 4:09 AM
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