「死ぬまでに行きたい!世界の絶景」

素晴らしい景色って心を動かすものですね。

「死ぬまでに行きたい!世界の絶景」
IMG_1215.JPG
アイディアに煮詰まったり、どうにも緊張がほぐれない時、
この本を開き、しばし現実逃避したりしています。

ウクライナのクレヴァニにある「恋のトンネル」、
ボリビアの「ウユニ塩湖」、
イタリアのランペドゥーザ島・・・などなど。

facebookページを書籍化したもので、世界56万人の支持を得ているそうなので、
ご存知の方が多いかもしれませんね。

話が重くなりますが・・・
「死ぬまでに行きたい!」というタイトルゆえか、
平家物語の「新中納言、見るべき程のことは見つ、」
と自害する一節を思い出したのですが、

人生で思いがけないつらい試練にぶつかると、
「見るべき程のことは見つ」という心境に陥りがち。でも、
見るべきものは世界にこんなにたくさんある、自分の「絶景」を見つけて、
いつか行ける時が来るまでがんばろう、という前向きな気持ちになれる本です。

大好きな本(小説)を読む時間がなかなかとれない…とつぶやいていたら、
日頃お世話になっている方がプレゼントしてくださったものなので、
私にとっては心の温かさが感じられる大切な一冊。

絶景の写真を見るだけでも癒されますが、
アクセスの方法や旅の予算まで書いてあるので、
結構現実味があって、「決して夢じゃない」って思えます。

素敵!!



 

楽園のカンヴァス

"You are all a lost generation"(あなたたちはみな失われた世代です)

ヘミングウェイ「日はまた昇る」の扉に引用されていることでも有名なガートルード・スタイン。

「楽園のカンヴァス」の扉にも彼女の言葉が引用されています。
それだけで、興味がそそられ、手に取って読み始めたのですが、

「美術(絵画)ミステリー」と評されている本書。
ミステリー的要素よりも、登場人物の「情熱」にただただ感動でした
DSC02366.JPG
画家アンリ・ルソーの絵画への情熱、
彼を支えた人々の情熱、
ルソーに対する、コレクターの、研究者の、キュレーターの情熱・・・。
そして、著者のルソーへの情熱があふれています。

お恥ずかしながら美術や絵画に全く無知な私なので、
本作による情報しかないのですが、

後に、絵画史において、ピカソにも影響を与えた天才といわれながら、
40歳を過ぎて税官吏から画家を志し、貧しい中、世間に認められることなく死んでいった、
アンリ・ルソーを巡る物語です。

美術館の裏事情や、絵画の見方、登場人物の男女の物語も重ねると、

「何が豊かな人生といえるのか?」人生観にも影響を与えてくれる本だと思います。

さらに、個人的には、絵画と美容とジャンルは違えども、
美を追及する姿勢や愛に学ぶところ大でした。

というのは、化粧品開発など私の仕事は、楽しくさせていただきながらも、
また、お客様やスタッフに涙が出るほど嬉しい励ましの言葉をかけてもらいながらも、
時にはですけれど(本当に「時には」です)、孤独で身を削るような思いもします。

より多くの女性のキレイをお手伝いして喜んでいただきたい!
そんな初心を、情熱を、美への執念を、大いにかきたてられ心洗われました。

「この作品には情熱がある。画家の情熱のすべてが。」
そんな評価をいただけるように、これからも魂を込めて商品作りをしていきたいと思います。

スタイン女史の言葉、
"lost"(失われた、迷子の)"状態とはかけなはれたところに向けて
 ※"lost generation"はこの作品に描かてれいる時代よりもっと後です


「ジェントルマン」

ビューティブログに載せるのは少々気がひけますが、
あまりに秀逸な結末に、心ふるえお薦めせずにはいられず・・・
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表は、完璧で才能あふれた「ジェントルマン」。裏では、悪行をくりかえす卑劣な男。
そんな「ジェントルマン」の正体に魅せられ愛してしまった主人公のゲイ男性…というストーリー。

数年前の短編「MENU」を進化させた作品だと感じながら、
山田詠美さんの美しくオリジナリティに溢れた文体に、久しぶりに読書の楽しみを堪能しました。

例えば、
「高いレベルで外見と内面のバランスを取りながらも、そこに隙というアクセサリーを付け加えるのを忘れなかった(中略)彼は、オーラの着崩しに長けていた。」

「オーラの着崩し」・・・なんて素敵な言葉でしょうか。
隙なく計算されたものは「野暮なカリスマ」。
完璧なジェントルマンとは、オーラまで着崩す術に長けている人、なんだそうです。

ただし、共感とは無縁。このジェントルマンは善悪の概念をとびこえています。
人の心を殺しても、実際に死に至らしめても、何も感じない。
人の心をみくびっているがゆえに、造作なく人を操れるという矛盾。
そこに嫌悪感を覚えるのですが・・・

「ユメ(主人公)は俺のものだもんな」と主人公の愛をもみくびりすぎたジェントルマン。
圧巻の結末、心の襞が織りなす繊細な部分を理解できなかったゆえに起こる事態に、
私は胸がすくような思いがしました。

「それ」を聞いた時、
「初めて、ぼくは、きみよりも自分を愛した。」

「友情は裏切る」でも、愛情も違う形で裏切るのです。
ジェントルマンにとっては日常にすぎなかったことであっても・・・。

単なるピカレスク小説(悪漢譚)とは一線を画した、傑作だと思います。
結末にも、あるいは嫌悪感をもよおす方がいらっしゃるとは思いますが、
決して人の心をみくびってはいけない、という警句のように響いたのは私だけでしょうか。

さらに、私には性格上とても難しいことなのですが、
まず自分が自分を一番好きであり、そして「どう」人を愛するのか、に挑戦してみたくなりました。



"The Sun Also Rises"

気持ちの良い日和ですが、私は風邪からひどい鼻炎になってしまい、
ティッシュを抱えながら寝込んでいます・・・。

そんな中、ヘミングウェイの「日はまた昇る」を再読しました。
大学時代に研究で使って以来ですから、十何年ぶり?
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第一次世界大戦に従軍して負傷し、性的不能になってしまった主人公が、
いいようのない虚無感を抱えながら、
昼間は何とかがんばるけれども、夜中は一人で苦悩する、そんな日々の物語です。

「どんなに苦しんでも、自分の苦悩にはおかまいなしに日はまた昇るのだ」
という意味の表題だと、私は解釈しています。


震災が起きた直後、眠れず見た朝日に対して、同じように思いました。
「これだけの惨状や人々の苦しみが発生しているのに、
何事もなかったかのように、日はまた昇る・・・」と。
永遠に変わらない自然のめぐり。驚きとやるせなさが同時に押し寄せました。


この本の冒頭には
旧約聖書の「日はまた昇る」の一節とともに、
"You are all a lost generation."「あなたたちはみんな失われた(迷える)世代なのよね」
(Gertrude Stein女史の言葉)が載っています。

"lost generation"とは
第一次世界大戦後、自由を満喫しているかのように「見える」生活を送りつつ、
虚無感に苛まれ「真実とは何か?」「自分は何者か?」を模索していた、世代のこと。
 *アメリカ文学史的には、1920年代に世に出た作家達のことを指します。
  私の大好きなフィッツジェラルドはヘミングウェイと並んでこの代表的作家。


「ロストジェネレーション」「日はまた昇る」

この二つを巻頭においたヘミングウェイの意図に深いものを感じました。
大学時代には頭だけで、心では真に理解していなかったと思います・・・

日本が大きな災害を乗り越えようとしている今、
本当に大切なことを再確認したり、物事の真価を見極めたり、
自分を見つめなおして、より素敵に成長できる時でもありますよね。
変わらずめぐる「日」においても、自分の内面は進歩できますもの。

美しい渓谷で自然の素晴らしさに接し、
心の傷が癒えていく主人公の姿も描かれていますが、

最後に主人公の恋人が言うセリフ
「私、性悪な女になるまいと決めたので、何だか気分がいいの。(中略)
こういう気持ちって、神様の代わりに私たちがもっているものじゃないかしら。」

人間の本能という名の「自然」も、健全&素敵なものを持っているのだと信じます
(私はまず体を健全にしなければ


「恋」〜感情の貸し借り

以前読んだ、小池真理子さんの作品に、下記のようなくだりがありました。
(すみません、睡眠不足でどの作品か失念してしまいました)

「彼には借りがある。人生を救ってくれた男である。
人の感情の貸し借りなどあり得ない、とわかりつつも、そう思ってきた。」

もちろんこれは、人の心の痛みを十分理解しながらも、
やむにやまれぬ行動に走ってしまった人の言葉だからこそ、すっと心に入るのです。

小池真理子さんの作品の主人公の多くは
何というか、心の礼儀正しい人、なんですよね。


最近、テレビ制作を少しお手伝いしていて(まだ企画段階ですが)、
いろいろな年代の女性にお会いする日々です。
どの本を読んだらいいかわからない、流行ではなく本当に価値ある本を知りたい、
という20代前半の女性がいて、
あ、これすごーくオススメだよ、と思ったのです。
主人公の、心の礼儀正しさが痛いほど伝わります。
直木賞受賞作です。
P1010645.JPG

作家さんの観念は一定していますから、
他の作品でもいいと思いますが、

これは過去振り返る額縁を持っていることもあり、
そもそもエゴの塊だったり、自らに酔ってしまいがちな恋というものが、
至極客観的な視点で描かれていて、特に好きな作品です。
ストーリー展開も面白いですし。


さて、日々痛感することです。

私は人から受けた感情の「借り」は忘れずに生きていきたい、
いつか恩返しができるように・・・、と思います。

一方「貸し」を意識したとたん、
それはメリットを期待した不純な感情となってしまいます。
そんな人間にはなりたくない、と肝に銘じます。

なぜなら、
どんなに取り繕っても、瞳の奥だけは嘘はつけないから。


心の礼儀正しさを備え、本物の美を追求して生きていきたい、と
さんざん未熟さを痛感してきた私は、そう思うのでした。





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